社会保険労務士事務所 リバシティーオフィス・市川孝友が答える労務相談Q&A
「休日と休暇の違い」
Q.休日と休暇はどう違うのですか?
A.労働者として雇われる場合において労働契約を結ぶ訳ですが、1年(=365日)は労働日と休日のどちらかに該当することになります。
労働日とは、労働契約上、就労して労務の提供が義務づけられている日をいいます。
したがって、約束ですから、使用者が就労義務を免除しない限り休むことはできません。
一方、休日とは、労働契約上、就労義務が最初から無い日をいい、労働基準法では法定休日を定めています。
なお、使用者は、法定休日に労働させようとすれば、36協定の締結と届出、労働者に対して割増賃金の支払いを負うことになります。
さて、休日と休暇ですが、概念を分けて押さえなければなりません。
休日は、既に述べたように「就労義務が無い日」のことです。
休暇は、労働契約上、就労義務が有る日に、労働者の請求によって就労義務を消滅させる行為をいいます。
したがって、休日に休暇を取るという行為はできません。
休暇の代表的なものには、年次有給休暇があります。これは、一定の継続勤務要件と出勤成績によって労働者に権利が発生し、労働者が時季を特定することによって、就労義務が消滅し、同時に賃金支払請求権を取得するというものです。
休日、休暇と似通った言葉に「休業」があります。参考までに休業とは、労働契約上、就労義務があり、労務の提供をなし得る態勢にあって、かつ、その意思があったにもかかわらず、労働をなし得なかった場合のことをいいます。