社会保険労務士事務所 リバシティーオフィス・市川孝友が答える労務相談Q&A
「解雇予告について」
Q.解雇予告期間中に業務上負傷して療養した場合の解雇予告の効力はどうなりますか?
A.使用者が労働者を解雇しようとする日の30日前に予告したところ、解雇予告期間終了前にその労働者が業務上負傷し、または疾病にかかり、その療養のために休業をする場合には解雇制限の適用があります。
解雇制限とは、労働能力を喪失していて、すぐには再就職活動ができない状況での解雇を制限するものです。
法19条では、業務上の傷病による療養のために休業する期間とその後30日間は解雇してはならないとしています。
ちなみにこの場合の療養とは、治った後の通院は含みません。
例えば、解雇予告をした日から10日目に、業務上負傷し、療養のため6日間休業したような場合は、解雇制限期間中に当初の予告期間が満了するため、当初の解雇予告の効力自体は中止されます。
では、もう一度、解雇予告が必要でしょうか?
その休業期間が長期にわたって解雇予告としての効力を失うものと認められる場合を除いて、改めて解雇予告をする必要はありません。当初の解雇予告は有効で、その効力が停止されただけですので、解雇制限期間が終了した段階で法律上当然に解雇となります。