社会保険労務士事務所 リバシティーオフィス・市川孝友が答える労務相談Q&A
Q.遅刻・欠勤を繰り返す社員には、どう対応すればよいですか。
A.遅刻・欠勤は、原則として許されるものではありません。しかし、公共交通機関の遅延や不慮の事故に巻き込まれる等、本人の不可抗力による場合もありますので、まずは、しっかりと理由を確認しなければなりません。
万が一、正当な理由がない場合には、懲戒処分を適用します。この場合、就業規則において懲戒規定が整備されていることが前提となります。
まずは、懲戒規定に基づき、譴責により本人の反省を促します。勤務不良の社員には、初期段階が肝心で、初めから厳しく注意するとともに、本人の真の反省を促すことが大切です。
懲戒処分を行っても改善されない場合には、減給、出勤停止とその処分の程度を加重します。1度の遅刻や欠勤により解雇することはできないものの、譴責など懲戒処分の中でも軽い処分を行い、再三注意したにもかかわらず、改悛の見込みがなく遅刻・欠勤を繰り返す場合には、懲戒解雇処分も可能であると考えられます。
なお、懲戒解雇を行う場合には、軽微な懲戒処分を行う都度、経緯を詳細に書面で記録し、その合理性・相当性を説明できるようにしておくことが重要です。