社会保険労務士事務所 リバシティーオフィス・市川孝友が答える労務相談Q&A
- Q.基本給の中に残業代を組み込んで支払う場合の注意事項を教えてください。
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A.この場合、基本給に残業代が含まれる旨を就業規則等に明記するとともに、基本給のうちどの部分が残業代に相当する部分なのかを明確に区分する必要があります。
また単に「基本給に残業代を含む」というような規程ではなく、次のように金額や割合によって残業代部分を明確にしなければいけません。
・基本給30万円のうち5万円を時間外・休日・深夜の割増賃金として支払う。
・基本給のうち20%を時間外・休日・深夜の割増賃金として支払う。
残業代の固定払いに関する有効性が否定された裁判例をみると、「就業規則等への明示」や「残業代部分の金額や割合による明確な区分」がなされていない場合となっています。
言うまでもなく実労働時間による残業代が固定払いの金額を超えた場合には、その差額を支払わなければいけません。